「子どもの発達が気になるけれど、住んでいる市や町ではどこに相談すればいい?」「入学までに、今からできることはある?」。そんな保護者の方に向けて、福岡市近郊の12市町の療育・発達相談先をまとめました。診断名を調べるより先に、日々の暮らしで気になっていることを相談するための記事です。
対象は春日市・大野城市・太宰府市・筑紫野市・那珂川市と、糟屋郡の宇美町・志免町・須恵町・粕屋町・篠栗町・新宮町・久山町です。お住まいの地域の見出しから読んでください。
この記事で紹介する地域の一つ、春日市の市役所。療育施設の写真ではありません(2016年1月撮影/筑紫太郎・CC BY-SA 4.0)
療育を利用するか迷っていても、まず発達相談から
療育は、お子さんの発達や生活に合わせて、ことば、体の使い方、人とのやりとりなどを支える取り組みです。「発達相談」は、気になっていることを専門職に話し、どんな関わり方や支援が役立ちそうかを一緒に考える入口です。
初めの電話では、「年長の子どもの発達について相談したいです。初めてなのですが、予約できますか」と伝えれば、相談内容を説明しやすくなります。診断の有無や、現在利用している支援も聞かれた範囲で伝えてください。相談したことだけで、通う施設や入学する学級が決まるわけではありません。
以下は自治体が案内している相談窓口です。地域にある療育施設をすべて並べた一覧ではなく、最初の連絡先を選ぶための表です。来所前に電話で予約方法を確認してください。
筑紫地区5市の療育・発達相談先一覧
春日市の療育・発達相談|子ども発達支援室
0~15歳のお子さんの発達や、療育、入学に向けた相談を受けています。心理士、言語聴覚士、作業療法士などの専門職が関わり、必要に応じて医療や教育などの関係機関と連携します。
窓口は、いきいきプラザ1階の子育て支援課・発達支援担当です。「家での関わり方と、小学校での支援を相談したい」と伝えられます。療育担当のくれよんクラブとは電話が異なるため、初めての発達相談には表の番号を使ってください。
大野城市の療育・発達相談|子ども療育支援センター
市内に住む0歳から18歳未満のお子さんと保護者を対象に、相談や療育を行っています。未就学児の集団療育や、小学生までの個別の評価などがあり、利用できる内容は年齢やお子さんの状況で異なります。
利用は無料で、初めに電話で面接を予約し、登録する流れです。場所はすこやか交流プラザ新館3階。土曜日も開いているため、平日の来所が難しい場合は予約できる日時を相談できます。
太宰府市の療育・発達相談|子ども発達相談室「きらきらルーム」
市内に住む小学校入学前のお子さんと保護者が対象です。ことばや行動、発達について、無料で相談できます。まず電話で日時を決めてから、お子さんと一緒に訪問します。
場所は五条3丁目の子育て支援センター内です。相談は約1時間で、母子健康手帳を持参します。待合室がないため、予約した時間に合わせて出かけると安心です。
筑紫野市の療育・発達相談|こども発達相談室
市内に住民票のあるお子さんと保護者が対象で、相談は無料です。家庭での関わり方を一緒に考え、必要に応じて園などと連携します。窓口は市役所2階のこども家庭課・発達支援担当です。
市の案内では、すでに児童発達支援や放課後等デイサービスなどの療育を利用している方は、原則として対象外です。また、発達検査だけを目的とする利用はできません。利用中の支援がある場合は、そのことを最初に伝えて相談先を確認してください。
那珂川市の療育・発達相談|療育センター「にじいろキッズ」
市内に住む小学校入学前のお子さんと保護者の相談先です。電話で予約し、お子さんの様子に応じて個別・集団での療育などを考えます。必要に応じて幼稚園などへの訪問も行います。
場所は松木2丁目です。相談は無料ですが、継続的な療育や発達検査を受ける場合は、保険代・消耗品代として年間1,000円が必要です。「相談の料金」と「継続利用でかかる費用」を分けて確認できます。
糟屋郡7町の療育・発達相談先一覧
宇美町の療育・発達相談|すくすく発達相談(こども療育センターすくすく)
小学校入学前までのお子さんについて、発達の相談、支援、検査などを専門スタッフが担当します。電話の案内時間は月曜日から金曜日の9時~17時です。
「ことばのことで相談したい」「入学までにどんな支援を受けられるか知りたい」など、相談したいことを伝えて予約方法を聞いてください。町の教育相談室は町立小・中学校の在校生向けなので、未就学のお子さんの発達相談とは窓口を分けて考えます。
志免町の療育・発達相談|こども発達相談「しめっこ相談」
町内に住む18歳までのお子さんとご家族の相談を受けています。発達や生活の困りごとを聞き、必要な支援や関係機関につなぐ窓口です。場所は町役場1階の福祉課です。
「療育が必要かまだ分からない」「どこに相談すればよいか迷っている」という段階では、気になる場面をそのまま伝えてください。すでに園や医療機関などに相談している場合は、その内容も共有すると話を進めやすくなります。
須恵町の療育・発達相談|こども子育て課(発達相談の申し込み)
小学校入学前のお子さんの、ことばや発達、気持ち・行動などについて相談できます。心理士や言語聴覚士などが関わり、療育や心理検査も行っています。
最初の申し込みは、役場のこども子育て課へ電話します。相談室は須恵中学校の施設内にありますが、相談の対象は未就学のお子さんです。中学校に通うための窓口ではありません。来所場所や持ち物を予約時に確かめてください。
粕屋町の療育・発達相談|こども家庭センター・母子保健係(発達相談)
町の発達相談は、1歳半から年長のお子さんが対象です。心理士や言語聴覚士が、発達、ことば、聞こえなどの相談を受け、必要に応じて療育につなぎます。電話のほか、乳幼児健診の場でも相談できます。
窓口は健康センター1階です。児童発達支援を利用する手続きは、福祉課・障がい支援係(092-938-0278)が担当します。まず発達について相談したいのか、サービスの申し込みを進めたいのかで、連絡先を選べます。
篠栗町の療育・発達相談|こども家庭センター・母子保健係
子どもの発達が気になるときの相談先として、町が案内している窓口です。「この様子は相談してよいのかな」と迷う段階でも、今の暮らしの中で気になっていることを伝えられます。
場所はオアシス篠栗です。受付は平日の8時30分~17時。ここで発達について相談し、必要な支援や次に連絡する窓口を聞いてください。施設名を自分で探し切ってから電話する必要はありません。
新宮町の療育・発達相談|子ども発達支援センター
町内の0~18歳、主に乳幼児を対象とする相談先です。シーオーレ新宮にあり、個別相談は電話予約で受け付けます。就学前のお子さんの発達・知能検査や、発音の相談なども案内されています。
2歳から年長のお子さんには、個別・小集団で関わる「のびっこルーム」があります。園への訪問支援も行っています。入学後の学びの場については、発達相談とは別に、学校教育課への就学相談も確認してください。
久山町の療育・発達相談|健康課(子ども発達相談「きらきらルーム」)
就学前のお子さんについて、保護者の相談や、専門職による個別・集団での支援を行っています。初めて相談するときは、健康課へ電話で申し込みます。
場所はヘルスC&Cセンターです。継続利用などの連絡用に別の番号も案内されていますが、初回は表の092-976-3377を使ってください。太宰府市にも同じ「きらきらルーム」という名前の相談室があるため、地域名と一緒に確認すると取り違えを防げます。
小学校入学の相談は、療育の予約と別に確認します
療育の相談と、入学後にどのような支援を受けるかを考える「就学相談」は、役割が異なります。療育先が決まっても、学校での支援の手続きまで自動で終わると考えず、今の園やお住まいの市町の教育委員会に確認してください。
たとえば新宮町では、2027年春に入学するお子さんの就学相談の申込期間は、2026年6月19日~7月3日でした。9月10日時点では通常の申込期間は終了しています。これから相談したい場合は、学校教育課(092-963-1739)へお問い合わせください。他の市町も同じ締切という意味ではありません。
「通常の学級でどんな配慮を相談できるか」「特別支援学級や通級を検討する場合、何を準備するか」「園でうまくいっている関わり方をどう引き継ぐか」を聞くと、入学後の生活を具体的に考えられます。学校名だけで支援の内容や利用条件を判断せず、候補の住所で通う学校について相談しましょう。
相談は無料でも、通うサービスの費用は別に確認
大野城市、太宰府市、筑紫野市などは、紹介した相談の利用が無料と案内しています。一方、那珂川市のにじいろキッズでは、相談は無料でも、継続的な療育や発達検査に保険代・消耗品代として年間1,000円が必要です。
児童発達支援などの福祉サービスを利用する場合は、相談室の料金とは別に、利用の申請や費用の確認が必要になります。粕屋町では、福祉課での申請や利用計画などを経て、利用できるサービスを記した「受給者証」の交付を受ける流れを案内しています。
電話や見学では、「相談だけならいくらか」「継続して通う場合の利用料はいくらか」「食事や教材、送迎などで別に払うお金はあるか」を分けて聞いてください。前の記事で紹介した福岡市独自の負担軽減は、近郊の市町にそのまま当てはめず、お住まいの自治体で確認します。
引っ越しも考えているなら、住所が決まる前に聞いておきたいこと
施設が近くにあるだけでは、実際に利用できる時期や通い方までは分かりません。住まいを検討するときは、お子さんの過ごしやすさと、ご家族が続けられる送迎の両方を考えておきたいところです。
- 転入前から相談できますか。転入後に必要な申し込みは何ですか。
- 現在の療育先に通い続けたい場合、何を確認すればよいですか。
- 希望する支援の受け入れ状況と、利用までの流れを教えてください。
- 送迎の範囲・時間は、園や仕事の予定と合わせられますか。
- 候補の住所の小学校で、入学前の相談や見学はいつできますか。
ご家族だけで、支援の種類をすべて理解してから動く必要はありません。「今、ここで困っている」「この関わり方だと過ごしやすい」という具体的な場面を、相談先や園と共有するところから始められます。
住まいを考える際にも、学校や相談先までの行きやすさを暮らしの条件に加えてみてください。気になったら、私たちに聞いてください。
出典