「小学校で、困ったときに助けを求められるかな」「今の園で受けている配慮を、入学後も引き継いでもらえるかな」。発達が気になっているお子さんや、障がいのあるお子さんの入学を前に、相談先を探している方へ。福岡市の療育の相談先と、小学校で受けられる支援をまとめました。必要なところから読んでください。
発達や暮らしの相談は療育センター等へ、入学後の学び方の相談は園や発達教育センターへ。まずは、この二つを分けると相談先を見つけやすくなります。親御さんだけで診断名や学級を決めてから連絡する必要はありません。
天神中央公園と福岡市役所本庁舎(2023年12月撮影/Hirho・CC BY-SA 4.0)
まだ診断を受けていなくても、発達の相談から始められます
福岡市の療育センター等は、障がいのあるお子さんだけでなく、発達が気になるお子さんとご家族の相談も受けています。療育とは、お子さんの発達や生活に合わせて、ことば、体の使い方、人とのやりとりなどを支える取り組みです。
「話したいことが伝わらず困ることがある」「大きな音のある場所ではつらそう」「着替えに手助けが必要」など、日常の場面をそのまま伝えて構いません。これらの様子だけで、特定の診断が決まるわけではありません。
たとえば南部療育センターでは、最初に電話で状況を聞き、必要に応じて発達相談や診察の予約につなぎます。相談したらすぐ通園が始まるという仕組みではなく、お子さんの様子とご家族の相談をもとに、支援を考えていきます。
福岡市の相談先は4拠点。住んでいる場所で担当が分かれます
2025年4月に南部療育センターが開設されました。現在は、あいあいセンターを含む次の4拠点で地域を分担しています。電話は施設の代表窓口です。「就学前の子どもの発達について、初めて相談したい」と伝えてください。
博多区と早良区は区の中で担当が分かれます。「北部・南部」を自分で判断せず、記事末尾の公式相談エリア一覧を見るか、住所を伝えて窓口を確認してください。受診や来所相談は、先に電話で予約方法を確かめます。
小学校の支援学級・通級は、療育センターとは役割が違います
「療育施設のある小学校を探したい」と考えたときは、小学校の中にある特別支援学級や通級指導教室を確認すると、入学後の支援が具体的になります。療育センターでの診察・療育と、学校での教育支援は、それぞれ別の仕組みです。
通常の学級で学びながら、必要な支援を相談する
学校でどのような場面に配慮が必要か、園や学校と共有していきます。たとえば「予定を絵で見ると分かりやすい」「音がつらいときに落ち着ける場所がほしい」などです。これは相談内容の例で、学校ごとにどのような対応ができるかを話し合います。
特別支援学級で学ぶ
小学校などに設けられた学級で、お子さんに合う進め方や方法で学びます。知的発達、体の動かし方、聞こえ、見え方、自閉症・情緒など、支援の種類によって設置校が異なります。通常の学級の子どもたちと一緒に学ぶ機会も、お子さんの状況に応じて設けられます。
福岡市の2026年度の案内では、知的障がい特別支援学級は市内のほぼすべての小・中学校に設置されていると説明されています。まず、住所で決まる校区の学校に確認できます。ほかの種類の学級は、末尾の「学びの場一覧」で学校名と種類を確かめてください。
通常の学級に在籍し、通級で支援を受ける
通級(つうきゅう)は、普段は通常の学級で学び、一部の時間に、ことばや人とのやりとりなどに合わせた指導を受ける仕組みです。放課後の預かりサービスではありません。
福岡市は2026年度から、情緒・LD・ADHD等の通級で、担当の先生がお子さんの在籍校を訪問する巡回指導を全市で実施しています。教室がある学校の近くへ引っ越さなければ使えない、と考える前に、実際にどこで指導を受けるかを就学相談で確認してください。
一方、聞こえやことばの通級については、市の説明資料に保護者の付き添いが必要と記載されています。利用する曜日や移動方法、仕事との調整も、相談するときに聞いておきたい点です。
通級指導教室が掲載されている小学校
以下は福岡市発達教育センターの2026年4月1日現在の一覧です。通級の設置校一覧であり、特別支援学級の全設置校一覧ではありません。学校名が載っていても、希望する学校・日時で利用できると決まるわけではありません。
LDは読む・書く・計算するなどの学習に特有の困難がある状態、ADHDは注意の向け方や衝動の調整などに困難がある状態を指す診断名です。表の分類は市の制度上の名称です。ご家庭でこの分類に当てはめて判断するための表ではありません。
特別支援学校という学びの場もあります。お子さんに必要な教育や生活上の支援を踏まえて相談します。どの学びの場を選ぶかは優劣ではなく、お子さんが学びやすく過ごしやすい環境を考えるための話し合いです。
入学先の相談は、園と発達教育センターへ
就学相談とは、入学後の学びの場や必要な支援を、保護者と専門家が一緒に考える相談です。福岡市は保護者と園・学校の双方から電子申請する仕組みを案内しています。まず今通っている園に、入学後の支援を相談したいと伝えてください。園に通っていない場合や転入予定の場合は、発達教育センターに手順を確認できます。
2027年春の入学に向けて、これから相談したい方へ
2026年度の就学相談会コースの申込期間は5月13日~7月3日でした。9月10日時点では通常の申込期間は終了しています。今からの対応は、園と福岡市発達教育センター(092-845-0015)にお問い合わせください。
9月25日までの「通級コース」は、小学6年生を除く在校生向けです。年長のお子さんの締切と混同しないようにしてください。
発達の相談を始めることと、特定の学級・通級へ申し込むことでは、必要な条件が違います。福岡市では「自閉症・情緒障がい特別支援学級」「各種通級指導教室」の申し込みに医師による診断が必要です。予約や資料の準備について、園・医療機関・発達教育センターと確認してください。
市の就学相談の案内には、総合的な判断に保護者の意向が合わない場合、再相談する流れも示されています。気になることや希望は、相談の場で伝えられます。
療育の費用は、サービスの利用料と診療費を分けて確認します
福岡市から受給者証などの交付を受けて利用する児童発達支援などは、市の負担軽減により未就学児の利用者負担が無償です。受給者証は、利用できるサービスなどを市が決めて交付する書類です。
小学校入学後から原則18歳未満は、対象サービスの利用者負担の上限が月3,000円になります。住民税非課税世帯は引き続き無償です。毎月必ず3,000円かかるという意味ではありません。
この説明は対象となる福祉サービスの利用料についてです。療育センターでの診察や検査には健康保険・医療費助成が適用されるものがあり、同じ扱いではありません。食事や教材など別に払う費用があるかも、利用先に確認してください。
見学や相談では「一日の過ごし方」を聞いてみてください
施設名や学校名だけでは、実際の暮らしは分かりません。見学や相談では、次のように具体的に聞くと、お子さんに必要な支援を話し合いやすくなります。
- 音や人の多さがつらくなったとき、落ち着ける場所はありますか。
- トイレや食事、着替えで必要な手助けを、どのように相談できますか。
- 園や療育先でうまくいっている関わり方を、学校へどう引き継げますか。
- 通級を受ける場所と時間、保護者の付き添いはどうなりますか。
- 放課後の支援を利用する場合、学校からの移動や引き渡しはどうなりますか。
住まいも検討している場合は、学校や施設までの距離とあわせて、実際に通う時間帯の移動、きょうだいの送迎、保護者の仕事との両立も見ておくと生活を思い描きやすくなります。引っ越しを決める前に、候補の住所で利用先や手続きがどう変わるかを確認してください。
全部を一度に決める必要はありません。まずは「入学に向けて、ここが気になっています」と、今の園や担当窓口に伝えるところから始められます。気になったら、私たちに聞いてください。
出典