「子どもが小学校に入る前に家を買いたい。使える助成金があるなら、取りこぼしたくない」。そんな方に向けて、福岡市と春日市・大野城市・太宰府市・筑紫野市・那珂川市の住宅の助成金をまとめました。どんな人が使えるのか、いくら出るのか、ほかの助成金と一緒に使えるのかを順番に見ていきます。
最初に知っておきたいのは、家を買うためのお金を助ける制度と、家を直したり設備を付けたりするお金を助ける制度があることです。近郊の市で家を買えば、福岡市と同じような引っ越しの助成が受けられる、というわけではありません。
比較対象の一つ、春日市役所(2016年1月撮影/筑紫太郎・CC BY-SA 4.0)
まずは、自分に関係がある市の行を見てください
表の金額は、条件がそろったときの上限です。申し込んだ人が全員、その金額をもらえるわけではありません。2026年度の主な制度を載せています。
たとえば、筑紫野市で家を買っただけでは、この表の10万円は出ません。その家のリフォームが制度の条件に合っている必要があります。「買うだけなのか、買ってから工事もするのか」で、見るべき制度が変わります。
福岡市の120万円は、一度にもらえるお金ではありません
住宅購入の助成は、基本額が年20万円で最長5年間です。それに引っ越し費用などの助成を組み合わせます。最大120万円は、数年分の購入の助成と引っ越しの助成を足した金額です。
福岡市内での引っ越しが対象で、子どもの人数や住宅ローンの利用、引っ越し先などにも条件があります。家を買うときに120万円がまとめて振り込まれるつもりで、支払いの予定を立てないようにしてください。
また、通う小学校が決まる区域によっても扱いが違います。市が指定する22の区域へ別の区域から移る場合、購入費や家賃の助成は使えず、引っ越し費用などの助成だけが対象になることがあります。候補の家の住所で確認することが大切です。
指定されている22の小学校区はこちらです
小学校区とは、その小学校に通う住所の範囲です。2026・2027年度に指定されているのは、次の22校区です。
別の小学校区から、この22校区へ引っ越すと、住宅購入費・家賃の助成は対象外です。引っ越し費用などの助成は、ほかの条件を満たせば使えます。
ただし、同じ小学校区内での引っ越しは、この制限に当たりません。たとえば、西新校区の家から、同じ西新校区の別の家に移る場合です。購入費や家賃の助成も、ほかの条件を満たせば対象になります。
子どもがまだ小学校に入っていなくても、引っ越し先の住所で判断されます。実際に通う学校ではなく、住所がどの小学校区に入るかを確認してください。
近郊の市では「どんな家か」「どんな工事か」がポイントです
大野城市で、新しい一戸建てを買うなら
20万円の対象は「ZEH(ゼッチ)」という基準を満たす一戸建てです。これは、使うエネルギーを減らし、太陽光発電などでエネルギーをつくる住宅の基準です。広告に「省エネ住宅」と書いてあるだけでは判断できません。
販売会社には「この家は大野城市の20万円の補助対象ですか。証明する書類はありますか」と聞くと伝わります。市では、家の省エネ性能を示す「BELS評価書」という書類などで確認します。
春日市・太宰府市で、古い一戸建てを直すなら
主な対象は、1981年5月31日以前に建てられた木造の一戸建てです。専門家が地震への強さを調べ、必要な補強工事をすることなどが条件になります。古い家を買うだけでも、壁紙を張り替えるだけでも、この補助は使えません。
春日市は補強工事に最大30万円、太宰府市は最大60万円です。あわせて省エネの工事も条件を満たせば、それぞれ最大15万円が加わります。
太宰府市で、発電や蓄電の設備を付けるなら
太陽光発電、電気をためる蓄電池、発電と給湯を行うエネファームに、それぞれ最大10万円の補助があります。太陽光や蓄電池は設備の大きさによって金額が変わるため、小さい設備でも必ず10万円が出るという意味ではありません。
筑紫野市・那珂川市で、住む家をリフォームするなら
どちらも対象になる工事費の10%で、最大10万円です。たとえば対象工事費が税抜き50万円なら5万円、税抜き100万円なら10万円。これは計算例で、すべての工事が対象になるわけではありません。
自分が所有して住む家であること、市内の業者に頼むこと、対象工事費が税抜き10万円以上であることなどが条件です。
助成金は、二つ以上を組み合わせて使える?
使える組み合わせはあります。この「一緒に使うこと」を、役所の案内では「併用」と呼びます。ただし、制度ごとに決まりがあります。
最後の行は、たとえば「リフォーム全体のうち、一部の工事に別の補助を使うなら、その工事費を除いて市の補助を計算する」という意味です。業者には、どの工事にいくらかかるか、見積書で分かるようにしてもらいましょう。
なお、福岡市の助成と大野城市の助成を、住む市に関係なく足せるわけではありません。まず家がある市の制度を見て、次に国や県の制度と組み合わせられるかを確認します。
取りこぼさないために、契約前に聞くことは三つです
制度名を全部覚える必要はありません。候補の家と、予定している工事が決まったら、販売会社や工事業者、市の担当窓口に次の三つを確認してください。
- 「この住所の家で、この工事をする場合、使える補助はありますか」
- 「国や県の補助も使う予定ですが、一緒に使えますか」
- 「契約や工事をする前に、申し込みが必要ですか」
三つ目は特に大切です。春日市の補強工事は契約前の申請、筑紫野市のリフォームは市から補助の決定を受けてからの工事、那珂川市のリフォームは工事前の申請が必要です。大野城市のZEHや太宰府市の設備補助は購入・設置後に申請する仕組みですが、先に必要書類を確かめておくと準備しやすくなります。
受付が終わっていれば使えません。たとえば福岡県の「こどもリノベ補助金」は、中古住宅の改修などに最大50万円の制度でしたが、2026年度は8月21日で受付が終了しています。
助成金を上手に使うには、もともと必要な家や工事に、使える制度を当てはめることが大切です。補助を増やすために予定外の設備を付ければ、自分で払う金額も増えることがあります。「補助はいくらか」と「補助を引いたあとに自分はいくら払うか」を、セットで比べてください。
子どもの入学前の住み替えなら、家の住所と入居したい時期、リフォームの予定を整理するところから始めましょう。気になったら、私たちに聞いてください。
出典