福岡市は9月4日から減圧給水を強化。水道水の約3分の1は筑後川から来ています

福岡市は2026年9月4日から、水道の圧力を調整する「減圧給水」を強化しました。
市内で使う水道水の約3分の1を支える筑後川で、水が少なくなっているためです。
市は、家庭への給水に大きな影響が出ない範囲で行うと説明しています。
春日・那珂川でも節水の呼びかけが強まっています。
筑後川の水不足が、住んでいる町の水道にどうつながるのかを見てみます。

福岡市の水道は、筑後川の水にも支えられています

筑後川の渇水と聞いても、福岡市や春日市で暮らしていると、少し遠い場所の話に感じるかもしれません。
けれど、福岡市が使う水道水の約3分の1は筑後川から来ています。
春日市の案内でも、春日市を含む福岡都市圏の水道水の約3分の1を筑後川に頼っていると説明されています。

この「約3分の1」は、どの市でも同じという意味ではありません。
福岡市の割合と、福岡都市圏全体の割合は、それぞれの資料で示されたものです。
春日市の各家庭で使う水も必ず3分の1が筑後川、と置き換えることはできません。

自分の町の天気だけでは、水源の状況は分からないのですね。
水道を支えている川やダムがどこにあるかで、気にかけたい雨の降る場所も変わります。

筑後川を横断する筑後大堰
筑後川の筑後大堰(2010年5月10日撮影/河川一等兵CC BY-SA 3.0

9月4日から、川から取る水を30%減らす調整に

9月3日の筑後川水系の渇水調整では、翌4日から福岡地区水道企業団が30%の取水制限を行うことになりました。
この企業団は、福岡都市圏の市や水道事業者へ水を供給する組織です。

取水とは、川などから水を取り入れること。
今回の30%は、同じ時期の実績取水量と比べて、川から取る水を減らす割合です。
家庭の蛇口から出る水の量や、水圧を一律30%下げるという数字ではありません。

同じ9月4日から、山口調整池にためている水を使い、筑後川から取る水を少なくする対応も始めることになりました。
川からの取水を減らす際には、こうした貯留水も使って調整します。

「取水制限」「減圧給水」「断水」は、指していることが違います

  • 取水制限:川などから取り入れる水を減らすこと。
  • 減圧給水:水を送りながら、配水管の水圧を低く調整すること。
  • 断水:家庭などへの水の供給が止まること。

筑後川の取水制限率だけで、自宅の水がいつ、どれだけ出にくくなるかは決まりません。
家庭への対応は、自分の町や水道事業者の案内を見てください。

福岡市は、水を送りながら圧力をさらに細かく調整します

福岡市は、平常時から水道管の圧力を調整しています。
9月4日からは、その減圧給水を強化し、市内で使う水の量を抑えて、筑後川水系のダムにためた水を長く使えるようにする方針です。

市の説明は、家庭などへの給水に大きな影響が生じない範囲で実施する、というものです。
水を止める案内とは内容が違います。

仕組みを少し見ると、市内の水道管にある水圧計や流量計の数値を、水道局が24時間見ています。
使われる水の量に合わせて弁を遠隔操作し、水圧を調整します。
水源の状況に応じて、浄水場から送り出す量や、水道管の中を流れる水の向きも変え、浄水場の間で水を融通しています。

蛇口の手前では、こうした調整が行われているのですね。
水が使えている間も、家庭で流しっぱなしにする時間を減らすことには意味があります。

8月の雨は平年の約16%。貯水率も前年同日より下がっています

筑後川の瀬ノ下上流域では、2026年8月の平均雨量は37.5ミリでした。
同じ地域の8月の平年値は232.6ミリ。
今年は、その約16%です。
平年値は1991〜2020年の30年間の平均で、福岡市内の雨量を比べた数字ではありません。

ダムなどにたまっている水も、同じ日付で前年と比べると違いがはっきりします。

筑後川水系6施設の貯水状況。両年とも9月2日、渇水対策容量を除く。国の速報資料による
たまっている水の量 貯水率
2025年9月2日 約4,893万立方メートル 72.9%
2026年9月2日 約2,431万立方メートル 36.2%

対象は、江川・寺内・小石原川・合所・大山の各ダムと、筑後大堰の6施設です。
どちらの年も、同じ施設と同じ容量の範囲で比べています。

貯水率は、利用のために確保された容量に対して、どれだけ水がたまっているかを示します。
この比較には、渇水時に使う別枠の「渇水対策容量」は含めていません。
6施設の貯水率を、福岡都市圏で使える水すべての残り割合として読むことはできません。

さらに9月8日時点では、同じ6施設の貯水率は33.9%です。こちらは最新の水源情報で、表の前年同日比較とは日付が違います。
雨の少なさと水源の残量が、今回の取水制限や節水要請につながっています。

春日那珂川水道企業団も、9月3日に渇水対策本部を設置

春日那珂川水道企業団は、9月3日に渇水対策本部を設置しました。
川からの取水制限に伴い、福岡地区水道企業団から受ける水にも制限がかかることを説明しています。

一方で、企業団と那珂川市は、自己水源などがあるため、送水制限が始まっても直ちに断水するわけではないと案内しています。
市の外から受け取る水の量と、家庭へ送る水の状況には、こうした水源の違いも関わります。

今回の渇水に関する家庭向けの案内。福岡市・那珂川市は9月3日、春日市は9月4日の発表
家庭に関わる案内
福岡市 9月4日から減圧給水を強化。
家庭への給水に大きな影響が生じない範囲で実施し、さらに節水を要請
春日市 企業団の渇水対策本部設置を案内し、より一層の節水を要請。
少雨が続く場合の給水制限・断水のおそれを説明
那珂川市 自己水源などがあるため直ちに断水するわけではないと説明し、節水を要請

「直ちに断水するわけではない」は、今後も断水しないという約束ではありません。
春日市などは、少雨が続けば給水制限や断水のおそれがあるとしています。
雨や貯水量によって対応は変わるため、お住まいの市や水道事業者の新しい案内を確認してください。

まずは、流しっぱなしの時間を少し減らすところから

春日那珂川水道企業団の節水案内には、毎日の暮らしで取り組める方法が並んでいます。

今日の入浴や食器洗いでできること

  • 体や髪を洗っている間は、シャワーをこまめに止める。
  • 食器の油汚れは、洗う前に紙や布で拭き取る。
  • 歯磨きの口すすぎには、コップを使う。

福岡市の減圧給水も、春日・那珂川での節水要請も、暮らしに使う水を保つための対応です。
筑後川の水源情報と、自分の町の給水案内を組み合わせると、遠くの川のニュースが、毎日使う水道の話につながります。

気になったら、私たちに聞いてください。

出典