同じ2人を育てても、町でここまで違います。福岡市と近郊の保育料・学童保育・子ども医療費

家を探すとき、土地の値段と家賃は必ず比べます。

でも子育てにかかるお金が町でどれだけ違うかを比べる方は、あまりいません。

保育料・医療費・学童保育。
この3つは市町村が決めていて、同じ2人を育てても、住む町でかかるお金が変わります

しかも効いてくる時期がそれぞれ違います。

公的な資料だけで、13の市町村を並べました。

3つは、効く時期が違います

白水大池公園の展望台から見た春日市の中心部
白水大池公園の展望台から見た春日市。医療費は18歳年度末まで通院も入院も0円で、13市町村でいちばん手厚い町です(2018年7月撮影/STA3816CC BY-SA 4.0
3つの制度が効く時期
制度 効く時期 差の出かた
保育料 0〜2歳の3年間だけ 3つの中でいちばん大きい
学童保育 小学生の6年間 月に数千円。
ただし預けられる時間が町で違う
子ども医療費 0歳から18歳まで 1回あたりは小さいが、期間がいちばん長い

順に見ていきます。

保育料 ― 差が出るのは0〜2歳だけです

まず前提を押さえてください。

国の制度で、3〜5歳児クラスの保育料は無償です。
0〜2歳児クラスは、住民税非課税世帯だけが無償になります。

つまり、保育料で実費がかかるのは0〜2歳の3年間だけ
だから自治体の上乗せも、ここに集中しています。

そして2025年(令和7年)9月、県内で一斉に動きがありました。

福岡県第3子以降保育料無償化事業が始まったからです。

県が市町村に補助する仕組みで、対象は「生計を同一にしているこどものうち、年長者から数えて3人目以降のこども」。

県の説明では保育所等の同時利用やこどもの年齢に関わらず適用されます。

上の子が中学生でも高校生でも、3人目なら無償ということです。

0〜2歳の保育料が何人目から無償になるか(各市町村・2026年9月現在)
市町村 何人目から 開始 所得制限
福岡市 第2子から なし
新宮町 第2子から 2024年10月 なし
筑紫野市 第3子から 2025年9月 なし
太宰府市 第3子から 2025年9月 なし
久山町 第3子から 2025年9月 なし
大野城市 第3子から 2025年9月 なし
春日市 第3子から 課税世帯が対象
志免町 第3子から 2025年9月 課税世帯が対象
須恵町 第3子から 2025年9月 課税世帯が対象

この表に無い町でも、県の事業を使った第3子以降の無償化や助成は広がっています。

ただし要件は町ごとに違います。
所得制限の有無、対象になる施設、きょうだいの数え方。

ご検討の町が決まっていれば、その町の窓口で最新の要件をご確認ください。

第2子から無償なのは、福岡市と新宮町だけです。
ほかの町は第3子から、つまり県の事業の範囲です。

0〜2歳の保育料は、3〜5歳のように一律で無償にはならず、世帯の収入で決まります。

2人目が0円になるかどうかは、3年ぶんの差になります。
お子さんを2人予定されていて、まだ小さいご家庭には、ここがいちばん効きます。

新宮町の話

新宮町杜ノ宮の街並み
新宮町の杜ノ宮。0〜2歳の保育料が第2子から無償になる、県内でも数少ない町です(2015年9月撮影/Mti・CC BY-SA 4.0

新宮町は2024年10月から第2子以降を無償にしています。

しかも対象がいちばん広い
認可保育施設だけでなく、認可外保育施設・企業主導型・ファミリーサポートセンター・幼稚園の満3歳児クラスの預かり保育まで入ります。

きょうだいの数え方は「生計を同一にしているお子さんのうち、最年長者を第1子」で年齢制限なし。
所得制限もありません。

ところが、その新宮町で2026年4月に待機児童が20人出ました。
前の年まではゼロだった町です。

県が挙げた理由は「宅地開発等により申込児童が増え、施設の整備量に不足が生じた」。

手厚くすれば、人が集まります。
集まれば、足りなくなる。

制度の手厚さと入りやすさは、同時には成立しにくいということです。

新宮町を候補にされるなら、保育料の有利さと、園に入れるかどうかは分けて考えてください。

学童保育 ― 金額より「何時まで」を見てください

学童保育は、月額を並べても比べられません。

基本料金でカバーされる時間が、町によって違うからです。
17時までの町もあれば、18時までの町もあります。

おやつ代が利用料に含まれる町と、別に取る町もあります。

学童保育の料金(各市町・2026年度)
市町 基本の料金と時間 延長 おやつ・間食
福岡市 3,000円(放課後〜17時)
4,000円(〜18時)
5,000円(〜19時)
上記に含む 会費として別途
(クラブごとに違う)
粕屋町 3,000円(〜18時)
4,000円(〜19時)
1日200円 会費2,000円
宇美町 4,000円(放課後〜17時
/冬は16時30分)
18時以降30分250円 1,500円
志免町 4,500円(〜18時) 月3,000円
(18〜19時)
1,500円
春日市 6,000円(放課後〜17時) 月2,000円
(17〜19時)
1,700円

18時まで預けた場合で並べ直すと、粕屋町が5,000円(会費込み)、志免町が6,000円(おやつ代込み)、春日市が9,700円(延長と間食費込み)。

福岡市は4,000円ですが、会費(おやつ代等)がクラブごとに違い、市として金額を公表していません
ここだけ総額が出せません。

きょうだいの割引があります

福岡市は、きょうだい2人目以降の基本利用料が0円になります(延長と土曜は半額)。
ただし入会申込書の減免申請欄に書かないと適用されません。

春日市も2人目以降は6,000円が3,600円、延長も2,000円が1,200円になります。

2人以上を通わせるご家庭は、この差が大きく効きます。

宇美町は基本が17時まで(冬は16時30分)と早いのですが、「放課後キッズ」なら20時まで預けられます。

金額だけ見て決めず、お迎えに行ける時間から逆算してください。

子ども医療費 ― 金額は小さく、期間は長い

入院については、13市町村のどこでも自己負担がありません。
所得制限もありません。

差が出るのは通院と、何歳まで対象かです。

子ども医療費支給事業(福岡県・2026年4月1日時点)
市町 対象年齢 通院の自己負担(1月あたり)
春日市 18歳年度末 すべて0円
筑紫野市・大野城市・那珂川市 中学生まで 0円(高校生年代は対象外)
太宰府市 18歳年度末 中学生まで0円/18歳年度末は1,600円
福岡市 18歳年度末 3歳未満0円/就学前〜18歳年度末は500円
糟屋郡7町 18歳年度末 就学前まで0円/小学生〜18歳年度末は500円

春日市だけが、18歳年度末まで通院も入院も0円です。

筑紫野市・大野城市・那珂川市は中学生まで0円ですが、高校生年代は対象外になります。

太宰府市は18歳まで対象ですが、高校生年代は1つの医療機関につき月1,600円。

月500円は小さく見えます。

ただ、小児科は通う回数が多い時期があります。
耳鼻科や皮膚科にもかかれば、そのぶん重なります。

それが18年間続く、という見方をすると印象が変わるかもしれません。

どこが効くかは、ご家族の形で変わります

ご家族の形と、効いてくる制度
ご家族の形 見るところ
子どもが2人で、まだ0〜2歳 保育料。
第2子から無償なのは福岡市と新宮町
子どもが3人 県の事業で多くの町が第3子以降を無償に。
ただし春日市・志免町・須恵町は課税世帯が対象
小学生がいて、帰りが遅い 学童の基本料金が何時までか。
粕屋町・志免町は18時、福岡市・春日市・宇美町は17時
2人以上を学童に通わせる 福岡市はきょうだい2人目以降が0円(申請が必要)
高校生年代まで医療費を見たい 春日市が0円。
筑紫野市・大野城市・那珂川市は中学生まで

これだけで町を決めないでください

ここに書いたのは、公費で変わる部分だけです。

土地の値段や家賃の差のほうが、たいていは桁がひとつ大きくなります。

それに制度は毎年変わります。
第3子以降の無償化も、2025年9月に一斉に始まったばかりです。

いま有利な町が3年後も有利とはかぎりません。
住む町を決める材料のひとつ、くらいに受け取ってください。

気になったら、私たちに聞いてください。

出典