福岡市の隣で家を探し始めた共働きのご夫婦へ。
志免町は福岡市に隣接していて、家賃も福岡市東区より抑えられます。
ただし町内に鉄道駅はありません。この一点が、暮らし方をかなり左右します。
良いところも、その引き換えも、正直にお伝えします。
まず、志免町に鉄道駅はありません
町の地域公共交通計画が挙げている町内の公共交通は、西鉄バス、タクシー、町のオンデマンドバスです。
鉄道駅は出てきません。これは不便という話ではなく、家探しの前提が福岡市とは変わる、ということです。
最寄りの駅は、志免役場前からだとJR香椎線の酒殿駅まで徒歩およそ21分、須恵駅まで約28分、長者原駅まで約36分です。
町の西側の別府・御手洗なら福岡市地下鉄の福岡空港駅、北側なら原町駅や長者原駅が現実的になります。
ただし駅までの時間は番地によってかなり変わります。
志免鉄道記念公園と、奥に建つ旧志免鉱業所竪坑櫓。国の重要文化財に指定されている、志免町のシンボルです(2016年5月撮影/そらみみ・CC BY-SA 4.0)
バスの本数は、停留所によって大きく違います
路線バスは、32番と33番が博多駅方面、34番が千代町・天神方面です。
町の施設案内でも、天神日銀前から32番、博多バスターミナルから32番、原田橋から34番で来られると案内されています。
乗車時間は志免から博多バスターミナルまで32番で約23分、大人片道430円という検索例があります。
正直にお伝えしたい、朝の本数
問題は本数です。
平日朝の時刻表を見ると、「志免役場前」から博多バスターミナル方面の32番は、7時台に1本しかありません。
一方で「下志免」から博多駅方面の32番は、6時台に3本、7時台に2本あります。
同じ町内でも、使う停留所によって朝の選択肢がまったく違います。
バスは道路の混み具合でダイヤどおりに動かないことがあると、西鉄の時刻表にも注意書きがあります。
朝の遅れは日によって変わるので、時間には余裕を見ておいてください。
物件を決める前に、その家から使うことになる停留所の時刻表を、必ず見てください。
だから、車の話を先にします
鉄道駅がないぶん、車が生活の前提になります。
何台必要かは、住む場所と、ご夫婦の勤務先が同じ方向かどうかで変わります。
生活の効率で選びにくいのは、鉄道で通勤したいのに駅から遠い南部の丘陵側や、ご夫婦の勤務先が別方向なのに車1台で考えているケースです。
地区そのものの優劣ではなく、ご家庭の動線と合っているかどうかの問題です。
家賃と土地は、いくら安いのか
家賃相場はポータルによって集計の仕方が違い、金額がかなり割れます。
ここでは2つを並べます。
同じポータルどうしで比べると、志免町は粕屋町より2LDKで月1.0万〜1.3万円、3LDKで月1.8万〜3.7万円安いという結果でした。
福岡市東区とはアットホームの集計で2LDKが月約2.0万円、3LDKが月約4.4万円の差です。
この数字は、そのまま信じないでください
Yahoo!不動産の集計では、志免町の2LDKが3LDKより高く出ています。
新築などの在庫の構成によって、間取りが広いほど安く見えることがあるためです。
ポータルどうしでも2LDKで2万円以上ずれます。
市町の平均は「だいたいの位置」を知るためのもので、実際の物件はここから大きく上下します。
土地は掲載中の売地の平均で、志免町が約37.9万円/坪。
粕屋町の約57.8万円/坪より約19.9万円、福岡市東区の約47.8万円/坪より約9.9万円安い水準です。
ごみ出しのルールは福岡市とは別です
志免町では町の指定ごみ袋が必要です。
価格はすべて税込で、燃やせるごみ用が大500円・中300円・小180円(各10枚)、資源や燃やせないごみ用が大90円・小45円(各5枚)、粗大ごみシールが1枚500円です。
粗大ごみシールは店頭に並んでいないので、店員さんに声をかけて買う必要があります。
収集は日が暮れてから21時までに出すルールです。
祝日や振替休日も収集がありますが、お盆と年末年始は休みになります。
ルールが守られていない袋は回収されず、警告シールが貼られます。
福岡市から移ってこられる方へ
自治体が変わると、指定袋も資源の分け方も収集の曜日も持ち出しの時刻も、粗大ごみの申込先まで変わります。
福岡市の袋と曜日の感覚を、そのまま持ち込まないことが要点です。引っ越し直後は町のごみ分別一覧表やアプリで、品目ごとに一つずつ確認してください。
水道・下水道の使用開始や中止の申し込み、料金の相談も、福岡市水道局ではなく志免町の上下水道課が窓口になります。
入居のタイミングで連絡する先が変わる、という点を覚えておいてください。
学校の規模には差があります
志免町には小学校が4校、中学校が2校あります。
令和8年5月1日現在の児童数は、志免西小学校が995人、志免中央小学校が934人、志免東小学校が495人、志免南小学校が389人です。
同じ町内でも学校の規模がおよそ2.5倍違います。
志免西小学校は令和4年度に1,149人でしたが、令和5年度1,097人、令和6年度1,063人、令和7年度1,047人と減り、令和8年度は995人になりました。
ここ数年は減少が続いています。
規模の大きい学校は、友だちや先生、活動の選択肢が増えやすい一方、行事や校庭・特別教室の割り当て、学童の受け入れ数に負荷がかかりやすい面もあります。
これは一般的な話で、志免西小学校で実際に問題が起きているという意味ではありません。
どちらが良いという話ではないので、お子さんの性格やご家庭の方針と合わせて考えてください。
なお校区は町内会の単位で決まっています。
同じ町名でも住所によって通う学校が変わることがあるため、物件の住所が決まったら町の所管課に確認してください。
知っておきたい注意点:南部の丘陵に土砂災害警戒区域があります
志免町では平成23年12月28日から土砂災害警戒区域等の指定が始まり、令和8年3月27日現在も急傾斜地の崩壊や土石流に関する区域があります。
町は令和8年3月に防災ハザードマップを更新しました。
地図を見ると、区域は町南部の吉原、桜丘、石橋台、坂瀬、向ヶ丘の南側といった丘陵の縁に分布しています。
ただしこれは地図面を読み取ったもので、その町名の全域が指定されているという意味ではありません。
必ず地番の単位で、県が公表している図書と照合してください。
土砂災害警戒区域や特別警戒区域にあたるかどうかは、住宅ローンの条件や将来の売却に影響する可能性があります。
宅地建物取引業者が重要事項説明を行う際にも、この情報が使われます。
物件を決める前に、確かめてほしいこと
- その家から使う停留所の時刻表を見る(同じ町内でも朝の本数がまったく違います)
- 平日の朝に、実際にバスか車で博多・天神まで動いてみる
- 最寄り駅まで歩く場合、その時間を実際に測る
- ご夫婦の勤務先が同じ方向か、別方向かを整理して、車の台数を決める
- 2台目の駐車場が確保できるか、月額はいくらかを確認する
- 候補の住所が土砂災害警戒区域・特別警戒区域にあたらないか、地番で照会する
- ごみの収集曜日を町の一覧表で確認する(番地によって異なります)
- 通うことになる小学校・中学校を、町の所管課に確認する
出典