ブログ|株式会社とまとリビング

早良区で学区から家を探す方へ。西新・百道の値段と本数、そして区の中で13倍ちがう地価を正直に

そろそろ家を、と考え始めて、福岡のどのあたりがいいか調べている方へ。

これまで当社は糟屋郡や筑紫地区の町を書いてきましたが、今回はその「比べる相手」になる福岡市側、早良区です。

地下鉄で博多まで13分、朝7時台は20本。西新・百道の学区は、福岡で家を探す人の会話によく出てきます。

ただし早良区は南北に長く、同じ区の中で地価が10倍以上ちがい、年齢の構成も校区ごとにまるでちがいます。

良いところも、そうでないところも、順にお伝えします。

まず、通勤から

福岡市地下鉄 西新駅の4番出入口
地下鉄西新駅の4番出入口(2017年2月撮影/そらみみCC BY-SA 4.0

地下鉄空港線の西新駅から博多駅まで13分、乗り換えなし

天神までは7分です。

運賃は260円、通勤定期は1か月10,220円。

同じ電車がそのまま福岡空港まで行きます。

朝の本数は、6時台11本・7時台20本・8時台21本。

3分に1本の間隔で、時刻表を見て家を出る、という感覚がなくなります。

当社で記事にしている新宮町のJRは7時台5本、筑紫野市は9本ですから、桁がひとつ違います。

始発は5時36分、最終は23時52分。

駅の駐輪場は合わせて2,314台ぶんあります。

その代わり、この便利さは値段に全部乗っています。

次にそこを見ます。

土地の値段は、区の中で13倍ちがいます

国が出している2026年の地価公示を、早良区の中で見比べるとこうなります。

早良区内の住宅地の地価(2026年地価公示)
場所 1㎡あたり 1坪あたり
西新2丁目 766,000円 253.2万円
高取2丁目 726,000円 240.0万円
西新7丁目 541,000円 178.8万円
百道3丁目 438,000円 144.8万円
東入部2丁目(野芥駅まで3km) 55,800円 18.4万円
脇山(野芥駅まで7.8km) 16,400円 5.4万円

西新2丁目と東入部2丁目で約13.7倍

山あいの脇山まで含めると46倍です。

早良区の住宅地の平均は1㎡271,140円(坪89.6万円)で前年より7.7%上がっていますが、「早良区」という平均に意味はほとんどなく、西新・百道・高取の北側と、原・野芥から南とで、別の区だと思って見たほうが実態に合います。

2つの数字を混ぜないでください

上の表は国が出している地価公示(標準地の評価額)です。

当社のまとめ記事に載せている「早良区 坪70.0万円」はSUUMOに掲載中の売地の相場で、別の測り方の数字です。

掲載中の売地は区の南側に多いので平均が下がります。

測り方が違うので、この2つを並べて引き算しないでください。

賃貸は、区全体の平均では2LDKで11万円台ですが、西新駅から徒歩10分以内に絞ると2LDKで19万円前後、室見駅で15万円前後です(いずれも不動産ポータルの掲載家賃による参考値)。

当社で書いてきた糟屋郡の町の2LDKが6〜8万円台ですから、西新なら同じ間取りで月に10万円以上の差になります。

学区:西新小・百道小・百道浜小は、みんな百道中学校に進みます

西新・百道で家を探す方の多くは、学区から入ります。

まず、いまの校区と学校の規模を並べます。

西新・百道まわりの小中学校(校区は福岡市教育委員会・2026年4月1日。人数は2025年度のポータル参考値)
学校 人数 校区 進学先
西新小学校 1,019人(37学級) 西新1〜4・6・7丁目、城西1〜3丁目、曙1丁目、曙2丁目1〜5番 百道中
百道小学校 624人(23学級) 百道1〜3丁目、室見1丁目 百道中
百道浜小学校 467人(19学級) 百道浜1〜4丁目 百道中
室見小学校 637人(23学級) 藤崎1・2丁目、弥生1・2丁目、室見2〜5丁目 高取中
高取小学校 1,074人(36学級) 高取中
百道中学校 900人(29学級) 西新小・百道小・百道浜小の校区

西新小学校は1,019人、高取小学校は1,074人。

どちらも1,000人を超える小学校で、同じ区の山側にある脇山小学校は81人です。

西新小はこれまでに高取小・百道小・百道浜小を分離してきた学校で、2022年8月にも校舎の増築工事を契約していますが、それでもこの人数です。

福岡市は、31学級以上の状態が続く学校については、分離新設や隣接校との通学区域の変更を進める方針を文書で示しています。

西新小(37学級)と高取小(36学級)はその対象になりうる規模です。

いまの校区で家を決めても、数年後に線が動く可能性はある、と考えておいてください。

校区の線は細かく引かれています。

たとえば曙2丁目は1番から5番までだけが西新小で、西新5丁目は西新小の校区に入っていません。

「西新だから西新小」とは言えないので、候補の住所が決まったら番地まで確かめてください。

福岡市には「指定学校の変更」の仕組みがあります

福岡市は、校区の学校以外に通える理由を13項目で決めています。

その中に「共働きで、帰宅後に監督する人がいない場合(小学6年生まで)」があります。

学期の始まりから転居先の学校に通う「転居予定」も認められます。

申請は区役所の市民課で、学校側の副申が要ります。

使えるかどうかは個別の事情によるので、家を決める前に区役所に確かめてください。

人口22万人。校区ごとに、住んでいる人の年齢がまるでちがいます

早良区の人口は226,246人(2026年5月1日)。

1年で984人、0.4%増えていて、福岡市の推計では2030年代半ばまで緩やかに増え続ける見込みです。

ただ、区の中を校区で分けると、こうなります。

校区別の人口と年齢構成(2026年6月末・住民基本台帳)
校区 人口 14歳以下 65歳以上
西新 18,711人 13.2% 18.5%
高取 17,661人 13.5% 18.2%
百道 8,711人 16.0% 18.8%
室見 11,999人 13.2% 20.9%
百道浜 7,059人 13.0% 32.0%
脇山 2,044人 10.1% 39.5%

目を引くのは百道浜です。

海沿いの新しい街というイメージがありますが、65歳以上が32.0%で、西新の18.5%より高く、山あいの脇山(39.5%)に近い構成です。

1989年の博覧会の跡地にできた街で、街開きから35年以上がたっています。

いちばん子どもの割合が高いのは百道(16.0%)で、西新・高取は13%台。

「子育て世代が多い学区」というイメージは、数字で見ると百道と、西新・高取の一部に当てはまります。

保育・学童・医療費は、福岡市の制度です

2025年4月1日の福岡市の待機児童は4人(申込41,830人)。

市全体の数字で、区ごとの入りやすさはこれだけでは分かりません。

福岡市は2023年4月から、第2子以降の0〜2歳児の保育料を、収入に関係なく無償にしています。

認可外や企業主導型も対象で、上の子と同時に通っている必要はありません。

学童(放課後児童クラブ)は小学生が対象で、平日は放課後から19時まで。

月額は基本3,000円、19時までの延長で5,000円です。

市全体で141校・19,505人が使っています(2024年4月)。

子どもの医療費は高校生世代まで助成があり、通院は3歳から高校生世代まで1つの医療機関につき月500円まで

入院と薬局は0円、所得制限はありません。

買い物と病院

西新駅のまわりは、商業ビルのプラリバと西新商店街が続いていて、日常の買い物は駅の周りで済みます。

百道浜からは、隣の地行浜(中央区)にあるMARK IS 福岡ももちが近い距離です。

夜間や休日の急な病気は、百道1丁目にある福岡市急患診療センターへ。

小児科は平日19時30分から翌朝6時30分、日祝は朝9時から翌朝7時30分まで受け付けています。

重い救急は、24時間体制の救命救急センターを持つ九州医療センターが受け持ちます。

なお福岡市立こども病院は百道浜ではなく東区の香椎照葉にあります(2014年に移転)。

海のそばの街、百道浜

シーサイドももち海浜公園から見た福岡タワーとマリゾン、夕暮れ
シーサイドももち海浜公園の夕暮れ。福岡タワーとマリゾン(2024年1月撮影/HirhoCC BY-SA 4.0

百道浜から地行浜にかけての海は、1980年代に約138haを埋め立ててできた土地です。

1989年のアジア太平洋博覧会の跡地に、福岡タワーや図書館や住宅街が整備されました。

海が近い暮らしはこの街の魅力そのものですが、埋立地に家を持つなら、災害の想定は先に見ておいてください。

まず津波です。

福岡市の津波ハザードマップ(百道浜校区版)では、浸水の想定は海岸線沿いの海浜公園や護岸まわりと、樋井川の河口部の細い帯にとどまり、百道浜1〜4丁目の住宅街はおおむね想定の外です。

津波が着く最短時間は百道地区の海岸で30分とされています。

福岡県が2025年度に見直した想定でも、早良区の最大津波水位は1.80m(対馬北方沖断層の場合。
この地震では到達まで約2時間)とされています。

次に高潮です。

こちらは範囲が広く、想定最大規模の台風では、百道浜・西新・高取・百道・室見など、区の北側の平地の大部分が浸水想定区域に入ります。

室見川の最大高潮水位は標高5.6mと想定されています。

深さは場所によって0.5m未満から5m未満まで幅があるので、候補の住所ごとに原図で確かめてください。

そして地震です。

福岡市の揺れやすさマップ(警固断層帯の地震、M7.2を想定)では、百道浜・西新・百道・藤崎のあたりが震度6強で、区の中でいちばん濃い色が付いています。

原・野芥のあたりは6弱、入部・脇山は5強です。

便利な北側ほど揺れやすい、という関係になっています。

洪水は室見川沿いです。

想定最大規模の雨(6時間で522mm)では、室見・小田部・原北など室見川に沿った帯に浸水想定があり、川のすぐそばには氾濫流や河岸侵食で家屋が倒壊するおそれのある区域も設定されています。

実際の浸水としては、福岡市の下水道の計画に、1999年6月29日の豪雨で浸水した重点地区として城西・西新・百道・昭代・室見・原・干隈・野芥が挙げられています。

大規模盛土造成地のマップに載っているのは野芥・東入部・早良・西入部など区の南側で、西新・百道・百道浜には該当地がありません。

読み方に注意してください

上に挙げた地名は地図を見て読み取ったおおよその範囲です。

浸水の深さや揺れの強さは道1本で変わるので、候補の住所が決まったら、必ず原図で一件ずつ確かめてください。

私たちのほうでお調べします。

液状化は、福岡市が案内している福岡県の予測マップで、場所ごと(メッシュ)に危険度が示されています。

町名で一律に言える資料はないので、候補の住所で個別に見る必要があります。

ごみは、夜に出します

福岡市のごみ出しは夜です。

燃えるごみは週2回、日没から夜12時までに出すと、夜のうちに回収されます。

燃えないごみと空きびん・ペットボトルは月1回。

指定袋は45リットルで45円です。

朝に出す町から引っ越してくると、最初の1週間はここで戸惑います。

早良区の南半分は、別の区です

早良区は面積96㎢で福岡市の7区でいちばん広く、南半分は脊振山系の山と田園です。

脇山校区は2,044人、早良校区は3,455人で、65歳以上が4割近く。

地価は坪5万円台です。

区の中ほどには地下鉄七隈線の野芥・賀茂・次郎丸駅があり、野芥から天神南まで約20分。

西新から南へ下るほど、空港線から七隈線とバスと車へ、マンションから戸建てと畑へ、と景色が変わります。

「早良区に住む」という言い方では、この幅は伝わりません。

次の一歩

早良区を候補に入れるなら、この順で

まず、学区が目的なら、候補の住所を番地まで決めて校区を確かめる。

次に、その住所で高潮・津波・揺れやすさの原図を見る。

そのうえで、予算を地価公示の表に当ててみる。

西新・百道の値段が合わなければ、同じ地下鉄空港線の西へ(室見・藤崎)、あるいは当社が書いてきた糟屋郡の町へ、という順に広げていけます。

ここまでは、私たちがお手伝いできます。

早良区の北側は、通勤・学校・買い物のどれをとっても便利で、その分だけ高く、その分だけ海に近い。

そのつり合いを知ったうえで選んでいただきたいと思います。

ご希望の条件をお聞かせいただければ、いまの早良区で何が選べるかをお出しします。

出典